改訂2011.11.10

居住福祉ブックレット

  •  『アジアの街 わたしの住まい』 穂坂光彦 (1994/12) 明石書店 ¥3,150

    アジアの居住福祉の先端的な課題は、スラムと通称される 「人々のつくる街」 の住民の知恵に 学び、その居住改善への闘いを支えることである。本書は各地のスラム住民の声に耳を傾け、居住 福祉政策の展望を示す。

  • 『家のない家族』 ジョナサン・コゾル著 増子光訳 (1991/03) 晶文社 ¥3,262

    全米で四〇〇万人といわれるホームレス、しかもニューヨークではその半数が子どもである。社会福祉政策の欠陥を衝撃的なドュメントとして描いた著者が、 「住宅が他の基本的生活ニーズとちがうところは何か、なぜ住宅を最優先すべきなのか」実態態を踏まえて論述している。

  • 『奪われた「居住の権利」』 熊野勝之 (1997/04) エピック ¥1,470

    一九九五年九月、「居住権と強制退去に関する国連NGO・HIC」調査団の四人が被災地の調査に来日、報告書「豊かな国の居住権侵害」を国連・日本政府・ 自治体などに提出した。本書は居住権をまもる視点から行政の残酷さ、被災者救済に貢献した人々の活経などを記録している。

  • 『学問に情けあり』 西山卯三・早川和男 (1996/08) 大月書店 ¥2,039

    現在、学問と学者のあり方がきびしく問われている。本書は、学者不信の背景、学者が権力に迎合することの社会的弊害、職能としての学者の権利と義務、創造 的学問への道筋など、学問にかかわる者の社会的責任と研究の方法について論じている。これからの研究者・職能人のあり方について示唆を与えた学者心得入門 とも言える書。

  • 『居住福祉』 早川和男 (1997/10) 岩波新書 ¥777

    住居は人間の暮らし・健康・福祉の基礎であることを実証的・理論的に解説。西欧社会の高い住居水準は借家人などによる居住権運動によって実現したこと、および国際機関と日本の動向などについても紹介している。

  • 『居住福祉の論理』 早川和男・岡本祥浩 (1993/04) 東京大学出版会 ¥4,410

    物理的・社会的居住環境と傷病の発生・リハビリテーションの可能性、子どもの発達、高齢者福祉施設への入居理由等の関係を保険医・教員・福祉施設の協力のもとに行なった実態調査結果。「居住福祉」の基凝資料。

  • 『高校生が考えた「居住福祉」』 早川和男・一番ケ瀬康子他編著 (1999/06) クリエイツ かもがわ ¥735

    全国の高校生による『居住福祉』(岩波新書)の読書感想文の入選作品集。高校生たちが、 自分の経験をもとに居住環境のもつ「福祉力」について考えた新鮮な感想に満ちている。

  • 『講座 現代居住』(全五巻)早川和男編集代表 (1996/06-12) 東京大学出版会 各巻¥3,990

    歴史と思想、家族と住居、居住空間の再生、居住と法・政治・経済、世界の居住権運動の五巻からなり、法律・政治・経済、建築、福祉、医療、環境問題、外国人専門家などの協力による現代日本の居住問題に関する講座。

  • 『災害と居住福祉―神戸失策行政を未来に生かすために』早川和男 (2001/01) 三五館 ¥800

    阪神・淡路大震災は、日常的な市民の安全と生活軽視・開発本位の行政がもたらした「人災」であったことを明らかにし、安全・安心できる居住は防災の基礎であることを震災の経験をもとに論じている。

  • 『裁判官は建築を知らない』黒田七重 (1999/02) 民事法研究会 ¥2,310

    欠陥住宅の被筈にあった著者による裁判闘争記鐘を物語ふうに書いたドキュメント。欠陥住宅被害の深刻さと、「家は建て替えなければ住めない状態」と判断し ながら、「違法とまでは言えない」「建築会社の社長は建築の専門家ではないから責任を問えない」などと愚かな判決を下す司法を告発し、居住権の意義を説い ている。

  • 『住宅白書』 日本住宅会議編 (1986より隔年刊行) ドメス出版

    市民の立場で書かれた住宅自書で、日本の住宅事情、住宅政策の本当の姿がわかる文献として外国人専門家も注目している白書。
    毎回主題を決めると同時に、二年間の住宅・土地・都市関連の流れや時事問題、国外の資料も収録している。

  • 『住宅貧乏物語』 早川和男 (1979/03) 岩波新書 ¥735

    日本人の住居の状態を過密居住・遠距離通勤・転居・危険環境・高住居負担費などから、幼児・勤労者・高齢者にいたる心身の発達・健康・社会・文化などに与える影響について実証的に述べた古典的著作。

  • 『住まいが決める日本の家族』 袖井孝子 (1994/11) TOTO出版 ¥1,020

    第二次大戦後の家族の変化を住宅の変遷と関係付け、家族の人間関係や勢力関係を規定するうえで、住宅が果たした役割を検討する。住宅は福祉を支える基盤であるとし、社会保障政策に住宅保障を加えることの必要性を説く。

  • 『すまい考今学 - 現代日本住宅史』 西山卯三 (1989/12) 彰国社 ¥4,037

    目本の住宅の成り立ちを古代・封建時代・明治・大正・昭和、そして現代にわたり歴史的に解説、その性格・質・社会的背景を分析、また市民・産業界・政府などの取り組みと動向について包括的に述べている。

  • 『住まいの家族学』 外山知徳 (1985/07) 丸善 ¥1,785

    登校拒否児の住空間を調査し、個室が直接登校拒否を招くのではなく、特定の家族員を疎外するような家族関係が特異な住まい方を選択し、その結果として子どもが登校拒否になることを明らかにしている。

  • 『証言日本の住宅政策』 大本圭野 (1991/06) 日本評論社 ¥25,486
  • 戦前から戦後にかけて日本の住宅・土地・国土政策がどのように取り組まれたかを当時の担当者からヒヤリングした歴史的証言集。今は故人となられ人も数多く含まれる貴重な資料。
  • 『自治体住宅政策の検討』 本間義人 (1992/11) 日本経済評論社 ¥4,200

    バブル後に地域で住みつづけることが不可能となった高齢者住民に対し、自治体が展開することになった地域住宅政策について述べる。住宅政策の地方分権の状況がわかる。

  • 『倒壊―大震災で住宅ローンはどうなったか』 島本慈子(1998/12)筑摩書房 ¥1,890

    阪神・淡路大震災で家が壊れローンの残った人はどうしているのか。日本人は個人の甲斐怯で住宅を確保するのが原則だが、災害などで家を失った場合の悲劇の実態をドキュメンタリータッチで描く。

  • 『内務省住宅政策の教訓』 本間義人 御茶の水書房 ¥2,520

    わが国における住宅政策の歴史を知るうえで欠かせない。とくに戦前、内務省が展開した住宅政策が、戦後の公共住宅政策とどうつながるのかを知るうえでの必須文献。

  • 『180年間戦争をしてこなかった国』 早川潤一 (1999/12) サンワコーポレーション ¥1,470

    福祉の国として知られるスウェーデン人の日常生活やものの考え方についての三年間の滞在記。病気や障害をもって生まれたり、両親がいないなど、人生の出発点でハンディをもった子どもたちが平等に生きられる社会づくりのかたちをいきいきと描く。

  • 『もう[施設]はつくらない』 きらくえん編集委員会 (2000/10) 石人社

    「人間の尊厳を守る、プライバシーの徹底、市民的自由のある生活、民主的運営」などを基本理念に、特別養菱老人ホームの運営に取り組んできた喜楽苑が、全室個室・ユニットケアの「けま喜楽苑」にたどりつくまでの歴史と奮闘の記録。

  • 『みんな、家で死にたいんだ-福祉村・泰阜の一二年』 網野皓之 (1996/10) 日本評論社¥1,680

    人口二三〇〇人の泰阜村は二四時間の医療体制、訪問看護婦、ホームヘルパーの充実した村として有名だった。しかしこの村に特養建設を公約した村長が当選 し、老人が無理矢理入居させられる。地域住民の暮らしに根差すことない福祉行政の残酷さと悲劇、住民参加の居住福祉の重要性を医師の目で描いている。

  • 『路上の弁護士 上・下』ジョン・グリシャム (2001/08) 新潮文庫 ¥660

    有名弁護士事務所に所属していた弁護士が、高給の仕事を投げ出して、ホームレスのために活動する法律相談所に身を投じ、ホームレスの利益の擁護と、救済に 身を捧げるに至る小説です。弁護士など専門法律家を目指す学生に、居住の問題の一端を示すものであり、その解決のために法律家は何をすべきかを考えるため に、ぜひ読んだもらいたい一冊。

追加リスト 2002年以降出版 再版の書籍を中心に

  • 『デンマークの高齢者福祉と地域居住―最期まで住み切る住宅力・ケア力・地域力』松岡 洋子 (著) (2005/10) 新評論 ¥3,360

    デンマークの最新の現状、地域居住をおこなうための、人々の自覚、ケアなど実像と真相に迫る。

  • 『人は住むためにいかに闘ってきたか―欧米住宅物語』 早川 和男 (著) (2005/11)東信堂 ¥2,100

    「日本の国民はどんな運動をしているのですか。どんな国も黙っておれば政府はなにもやってくれませんよ」欧米の住民主体の居住権運動の現況と歴史を紹介し、わが国の住民運動の成長を強く促す旧著の新装版。

  • 『居住福祉学と人間―「いのちと住まい」の学問ばなし』 早川 和男編 (2002/02) 三五館 ¥1,890

    「居住福祉学」の入門書。付録も充実している。知事・市長、建築家、弁護士、精神科医、NPO、大学教授等多様な分野の論客が、各分野の専門に根ざしたガイダンスを展開。

  • 『社会福祉辞典』社会福祉辞典編集委員会(一番ヶ瀬、早川等)編(2002/10) 大月書店 ¥5,040

    理論、制度、政策から国際協力、技術・実践等に関する用語3400項目からなる社会福祉総合的辞典。

  • 『空間価値論 都市開発と地価の構造』 早川 和男 (著) (2003/07) 勁草書房 ¥4,200

    日本居住福祉学会の初代会長である早川和男の博士論文にもとづく同書(1973年)の再版。空間=土地を利用するに当たって、それを人間の生活空間として 価値あらしめるために、そこにどのような矛盾が存在するのかを分析し、土地利用計画のための基礎的検討をおこなった学際的研究。
    福祉社会の基礎であるすまいとまちをよくするための原理ともいうべき人間の生活空間として価値の分析は著者の居住福祉学構築の原点。

  • 『ホームレスと住まいの権利―住宅白書〈2004‐2005〉』日本住宅会議ドメス出版 (2004/06) ¥3,360

    「ホームレス=人間にふさわしい居住が確保できない状態」について74名の執筆陣からなる白書。ホームレスと住まいの権利、日本の「ホームレス」の人びと の実態と居住保障の課題、日本と海外の住宅事情・住宅政策・住宅運動など、その実態とそれに対する多様な取り組みが報告されている。

  • 『知事の決断』 日本居住福祉学会(編集)(2004/02) 京都修学社 ¥1,050

    日本居住福祉学会のフォーラムの記録。鳥取県西部地震後、2002年6月鳥取県で行われたオープン・フォーラムでの片山善博鳥取県知事の講演「知事の決断  鳥取県西部地震に学ぶ…居住の大切さ』、シンポジウム(村田幸子、 片山善博、市川禮子、皆川靱一、早川和男)「安心の住まい、福祉の見えるまち、このまちに住みつづけたい」、対談(隅谷三喜男、早川和男) 「社会保障の中の居住福祉」を収録。

  • 『家づくり安心ガイド』日本弁護士連合会 (編集)(2004/09)岩波書店¥1,995

    「ずっと安心して暮らせる、丈夫で長持ちする家」を手に入れるための解説書。欠陥住宅問題に取り組んできた弁護士達による施工ミスや手抜き、不備な契約書で困らないためのノウハウが書かれている。

  • 『住宅と健康―健康で機能的な建物のための基本知識』スウェーデン建築研究評議会, スウェーデン国立住宅建築計画委員会 (著), 早川 潤一 (翻訳)(1998/06)サンワコーポレーション¥2,940

    環境先進国スウェーデンにおけるシックハウス対策をはじめとした「健康住宅」のための知識を広く紹介。

  • 『シックハウス対策のバイブル』日本建築学会(2002/07)彰国社 ¥1,995

    室内環境汚染の現状と対策、化学物質過敏症の診断と治療法などシックハウスに関する建築、医学,化学の多分野の専門家による学際的解説書。

  • 『阪神・淡路大震災被災者のこころをきく―西宮の被災者生活調査から』金持 伸子 (2002/01) せせらぎ出版¥1,200

    阪神・淡路大震災から7年。西宮市内の応急仮設住宅・約5000戸に入居した被災者を対象に続けてきた生活調査の結果をまとめたブックレット。7年の貴重な経験をできるだけ多くの人に伝えて、被災者の元気の源をつくる試み。(「MARC」データベースより