『踊る復興者たち』は、災害復興の居住福祉学(建築⼈類学)の実践例であり、誰もが安心して暮らせる「まちの復興」はコミュニティ主体でなければ実現できないことを示したフィールドワークの記録である。著者らは、東日本大震災の被災地、岩手県大槌町(おおつちちょう)に震災1ヵ月後から入り、中山間地にある臼澤集落を拠点とする復興支援活動に寄り添った。臼澤集落には伝統芸能「「臼澤鹿子踊(うすざわししおどり)」があり、保存会が運営する「伝承館」は、被災直後から臨時の民設民営の避難所として機能し、大津波に遭った沿岸部の被災者を救援してきた。物的なコミュニティが消失した状態の中で、地域社会の人たちを繋げてきた伝統の踊りや祭りが、地域の復興にどんな役割を果たしたのかを具体的かつ詳細に記録し、文化的コモンズとしての伝統芸能の意義を明らかにしている。臼澤鹿踊保存会は2014年度、日本居住福祉学会の居住福祉賞を受賞した。

 

著者山口幸夫は環太平洋災害復興研究センター所長、工学博士(早稲田大学) 新家増美は伝統芸能継承発展協会理事長、学術博士(神戸大学)

 

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踊る復興者たち