第16回日本居住福祉学会全国大会の内容紹介の追加
第16回日本居住福祉学会全国大会は21日、大阪市住吉区の大阪市立大学「高原記念館」で開催されます。開催が近づき、準備が進んだ結果、その内容もより具体的になってきました。その一部を紹介します。
●実務家、自治体職員、研究者、市民活動家による多彩な研究発表
初日21日午前中(午前10時~正午)の研究発表の報告者とタイトルが決まりました。発表は4組。研究者だけでなく、実務家や自治体職員、市民活動家などが「葉っぱビジネス」や「都会のお祭り」など興味深く多彩なテーマの発表です。敬称略。
① 昌子一郎(株式会社イノベーション推進センター)、桑原定夫(徳島県上勝町)
「上勝町における高齢者ビジネスの導入効果」
② 岡本祥浩(中京大学) 「『居住福祉』の教育課程を考える」
③ 左地亮子(京都大学/日本学術振興会特別研究員PD)
「フランスにおける『移動生活者(ジプシー)』のための『適合住宅』政策の展開―居住福祉を通したマイノリティの社会的統合の試み」
④ 福井英夫(街なか居住研究会)
「地域コミュニティ活性化に向けた新住民の伝統的祭りへの参加に関する研究―天神祭を事例として」
●居住福祉に関わる災害復旧・復興、DV被害者の救済の事例紹介(総会)
午後1時からは、総会と基調講演、シンポジウムがあります。総会では、居住福祉に関する実践を顕彰する「居住福祉賞」の贈呈式があります。熊本地震でも課題となった被災した山間地域における自立した居住の復旧・復興の事例、DVの被害女性を癒す居住空間などの事例が紹介される予定です。
○「高原記念館」はJR阪和線杉本町駅下車で南東へ徒歩約5分。学会員以外の当日参加も歓迎します(資料配布の関係上できれば学会事務局に事前連絡してください)。
●焼け残った伝統的な長屋建築の保存・活用の事例(22日の現地視察)
大阪市内には、太平洋戦争の空襲による火災も免れ、戦後のマンション開発や老朽化による改築もくぐり抜け生き残っている長屋が数多くあります。大阪市立大学都市研究プラザでは、北区の中崎町長屋建築群に隣接する長屋の一群を「豊崎プラザ」という研究拠点を構えています。それらは、近代大阪の住宅地形成史を物語る極めて貴重な存在です。長屋の保存・活用事例としてその意義をさぐるための現地見学です。
○参考文献に「いきている長屋―大阪市大モデルの構築」(2013年、大阪公立大学共同出版会)があります。
○参加者は、22日午後1時、地下鉄谷町線中崎町駅改札前集合です。